東部アメリカ、ウェストバージニア州ポイントプレザントとオハイオ州ガリポリスを結ぶ橋、「シルバーメモリアルブリッジ」。
これは、1967年に崩落した「シルバーブリッジ」をかけ直したものである。
元々のシルバーブリッジは、約1.6kmほど北上した場所にかつて存在した。
1967年12月15日、午後5時ごろ。
31台の車が転落し、46人が死亡、9人が重傷を負った「シルバーブリッジ」崩壊事故が発生した。
折しもアメリカでは、この時期はホリデーシーズン。
クリスマスツリーを買いに出かける人たちで、街はにぎわっていた。
橋の崩壊原因は、老朽化により、ラッシュアワーの交通量に耐えきれず、橋を吊り下げていた部品が破損したことによる。
約40年前の建設当時と比べて、自動車一台あたりの重量が約3倍になっていたことも原因のひとつであるが、そもそも橋の維持管理が十分になされていなかった。
この事故をきっかけに、アメリカでは古い橋を定期的に検査する法律が制定されたほど、歴史的な大事故であった。
さて、この事故が発生する約一年前から、周辺では奇妙な出来事が多発していた。
橋のかかるウェストバージニア州ポイントプレザント地域では、少なくとも100人が謎の生物を目撃したという。
それは、巨大な翼と赤い目を持ち、首のない、身長約2メートルにもおよぶ黒い生き物だった。
当時はバットマンのテレビシリーズが人気だったため、それに登場する羽の生えた悪役「キラーモス」になぞらえて、謎の生物はモスマンと呼ばれるようになった。(※諸説あり)
目撃情報はどちらかというと「鳥のような生物」であったが、モスマンは直訳すると「蛾人間」という意味である。
モスマンの目撃情報は、事故当日、シルバーブリッジ付近で目撃されたのを最後に、ぴたりと途絶えた。
このため、モスマンの出現はシルバーブリッジの事故を引き起こすためだった、いや事故を警告するために現れたのだ、など様々な憶測を呼んだ。
なお、このモスマン事件とシルバーブリッジ崩壊事故を元にした映画がある。
その映画は、2002年公開の「プロフェシー(原題:The Mothman Prophecies)」。
主演は「プリティ・ウーマン」「シカゴ」「Shall We Dance?」などで有名なリチャード・ギアである。
場所は変わって、ベラルーシとの国境に近いウクライナのキーウ州プリピャチ。
シルバーブリッジの崩壊はアメリカ史に残る事故だったが、ここで発生したのは世界史に残る重大事故である。
1986年4月26日午前1時23分、チェルノブイリ原子力発電所にて、原子炉の暴走(メルトダウン)および水蒸気爆発が起こった。
この事故の被爆によって、がんや白血病を患い、亡くなったとされる長期死亡推定値は最大4,000人。
軽微な影響を含めると、被害者は60,000人にも達するという。
チェルノブイリ原子力発電所から半径30km圏内は、現在も立ち入り禁止区域に指定されている。
ウクライナ国家当局による2011年の調査結果によると、人が住めるようになるまで最長320年かかるという。
この事故の起こる数週間前、1986年4月初旬から、チェルノブイリ原子力発電所周辺では、謎の生物の目撃情報が相次いだ。
その生き物は、巨大な翼を持ち、頭のない黒い人型で、赤く光る目を持っていた。
翼を広げると約6メートルにも達したといい、「チェルノブイリの黒い鳥」と呼ばれた。
この生き物を見た人は、悪夢や妙な電話に悩まされたという。
事故の起こる4月26日が近づくにつれ、目撃情報は増えていき、原発で働く多くの作業員たちが「チェルノブイリの黒い鳥」を見たと言うようになった。
そしてやはり、モスマンと同じく、事故の起こったあとは目撃情報が途絶えた。
モスマンとチェルノブイリの黒い鳥には多くの共通点があることから、同じ生き物ではないかとも言われる。
災害の前兆のように現れ、災害後は姿を消す。
赤い目、巨大な翼を持ち、首のない黒い人型の怪鳥…。
似たような話は他の国にもあり、ドイツで1978年に発生した鉱山事故の前に目撃された「フライブルク シュリーカー」、1926年に中国南東部で起きたとされるダム崩壊事故の際に目撃された「マンドラゴン」もモスマンと外観に共通点が多く、同じものではないかとも言われている。
もう少し詳しく知りたい方は↓
だが誰も、男が何者かわからない。
何人かが男に近づいていくと、トレンチコートだと思われたものがひらりと開き、巨大な羽になった。
鉱夫たちは驚き、鉱山に入れないでいると、1時間ほど経った頃に地面が揺れるような激しい衝撃を感じた。
驚いた鉱夫たちが鉱山の入り口に向かうと、謎の生物は姿を消し、煙と炎が吹き出していた。
その後の調査で、地下で大爆発が起きていて、もしいつもの時間に36人の鉱夫たちが指定の位置についていたら、全員が命を落としていただろうということがわかった。
このケースでは、鉱夫たちの命を救うためにフライブルク シュリーカーが入り口にふさいでいたのではないかと言われている。
目撃情報のピークだった1926年1月19日の午後、小徳ダムは構造破壊により崩壊し、大量の水が下流の農村に流れ込んだ。
最終的に水が引いた後の死者数は15,000人以上と推定された。
この災害に関するほとんどの記録と報告書は、中国共産党によって抹消されたという。
真偽は不明だが、2001年のアメリカ同時多発テロ事件の際にも目撃されたという噂もある。
また、災害は災害でも、台風や地震などの自然災害ではなく、すべて人の作ったものによって引き起こされた事故の前に現れるというところも共通している。
現在のウェストバージニア州ポイントプレザントでは、モスマンは愛すべきキャラクターになっている。
かつてシルバーブリッジが存在した場所にほど近いところに建つモスマンミュージアムには、フォトスポットやモスマンのグッズがあり、モスマンフェスティバルが毎年9月の第3週末に開催される。
人気のフォトスポットで、クリスマスにはサンタの仮装させられたりする。
ケンタッキーのカーネル・サンダース人形のような扱いである。
2023年は9月16日~17日
フェスティバルには何千人もの人が訪れるそうだ。
ウェストバージニア州を訪れる時には、ぜひ足を運んでほしい。
- Silver Bridge
- On This Day in West Virginia History…
- Mothman
- Mothman
- Point Pleasant Register – Dec 12, 1987
- Williamson Daily News – Nov 18, 1966 Page.7
- キラー・モス
- Ford Model T
- Ford Mustang (first generation)
- Chernobyl disaster
- Deaths due to the Chernobyl disaster
- Chernobyl Exclusion Zone
- Blackbird of Chernobyl
- The frightening supernatural story of the Black Bird of Chernobyl
- Was the Mothman at the 9/11 attacks or is this picture photoshopped?
- Freiburg Shrieker
- Man Dragon
- Mothman Museum